不足しがちな栄養素は?
バランスの良い食事が大事ということはわかっていても、どうしても不足しがちな栄養素というものがあります。
日本の場合には、「鉄」や「カルシウム」が不足しがちといわれています。
海外でも、新鮮な野菜が手に入らない途上国では「ビタミン」不足、
緯度の高い北欧諸国では日照時間の不足から「ビタミンD」の不足、
内陸部に住む人たちは「ヨウ素(ヨード)」が不足しがちです。
そうした栄養不足を改善するため海外では、政策的な栄養強化の試みもなされているようです。
栄養不足へのアプローチ
サプリメントが一人ひとりの健康状態に応じたきめ細かい栄養不足へのアプローチを提供するのに対し、国民全体の公衆衛生的な栄養改善のアプローチとして、「小麦粉への栄養強化」、「牛乳への栄養強化」など検討されています。
特に「小麦粉への葉酸強化」は米国、カナダをはじめ、世界の数十か国で実践され、胎児の神経管障害の予防に役立っているといわれています。
他にも「小麦粉への鉄添加」は貧血予防として、「水道水のフッ素添加」は虫歯予防として、国際的に評価され、実践されている栄養添加の例です。
日本でも・・
実は日本でも、埼玉県坂戸市が女子栄養大学と共同し「葉酸」を市民に1日400μg摂取してもらう運動を行っています。
「葉酸」を入れた小麦粉で焼いたパンを学校給食に取り入れるなどの取り組みで、内閣府の地域再生計画にも認定されています。
イギリスの研究班による論文によると・・・
ビタミンDが不足しがちといわれるイギリスの研究班による論文によると、「小麦粉へのビタミンD強化は,安全でかつ効果的に英国のビタミンD摂取基準を満たし、ビタミンD欠乏のリスクを低減させることが示された。英国国民のビタミンD摂取を改善させる現実的な選択肢となりうることが明らかとなった。」とあります。
研究班は,ビタミンD不足の予防のための「小麦粉のビタミンD強化」のシミュレーションを実施し、その有用性を提唱しています。
栄養改善アプローチ 世界でも、そして日本でも!
世界ではさまざまな角度から、栄養改善と疾病予防の研究がなされています。
日本でも今後、集団的な栄養改善アプローチというコンセプトが広がることが期待されています。
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