ビタミンK(フィロキノン)

今回は、脂溶性ビタミンのビタミンKです。

概要

ビタミンKは、脂溶性ビタミンで2種類ある。

ビタミンK1(フィロキノン): キャベツ、アルファルファなどの緑葉野菜に含まれる。

ビタミンK2(メナキノン) : 納豆に豊富に含まれ、また人の体内で腸内細菌によって合成される。

いずれも同族体(化学構造が類似した化合物)が多数あり、それらはビタミンK3(メナジオン)で代表される。

友達関係

プロトロンビン、ビタミンD、カルシウム

働き

・ビタミンKは、血液凝固因子の合成に働く。

・ビタミンKが不足すると出血しやすくなるのは、血液凝固に関係するプロトロンビンという酵素が減少するためである。

・このプロトロンビンは、肝臓でビタミンKによって合成される。

・ビタミンKは、出血時の血液凝固作用と同時に、血管内での有害な血液凝固を抑制する成分の合成にもかかわっている。

・また、ビタミンKは、骨の形成にも不可欠な成分である。

・ビタミンDは、必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出すが、ビタミンKは、この働きを抑制し骨の形成を促す。

・さらに、ビタミンKは、骨の石灰化にも重要である。

・不足すると、骨に十分なカルシウムが取り込まれず骨がもろくなる。

・ビタミンKは、骨粗鬆症の治療薬としても認可されている。

補給法

・ビタミンKは、脂溶性ビタミンのため、食事の直後に補給すると吸収力が高くなる。

・ビタミンK製剤は、抗血液凝固薬のワルファリンカリウムとの併用は禁忌

・また、ワルファリンを服用している場合は、納豆、青汁、クロレラなどの摂取について必ず医師に相談すること!

食事摂取基準(目安量)

・成人男性 75μg/日

・成人女性 60~65μg/日

不足すると・・

・ビタミンKは、腸内で腸内細菌により合成されるので、成人の場合は、ほとんど不足することはないが、新生児や乳児は、腸内細菌が働かないため欠乏症が起きることもある。

・また、抗生物質を長期に服用すると、腸内細菌によるビタミンKの合成はできなくなる。

過剰摂取すると・・

・食事摂取基準では、ビタミンKの耐容上限量は設けられておらず、経口で摂取した場合の副作用の報告はほとんどない。

・ただし、妊婦への注射による過剰投与で副作用が出た例はある。

・一度に大量にとり過ぎると、吐き気、呼吸困難、血圧低下、溶血性貧血を起こすことがある。

ビタミンKを多く含む主な食品

鶏卵、チーズ、海苔、乾燥ワカメ、納豆、シュンギク、ホウレンソウ、カブの葉、ブロッコリー、アシタバ、ツルムラサキ、豆苗、オカヒジキなど

 

これらの栄養素だけとれば症状が良くなるという話ではありません。
栄養のバランスを考えるときに参考にしていただければ幸いです。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをとることが大切です!

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