概要
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- ビタミンCは、壊血病を予防する成分として発見された有機酸である。
- 別称のアスコルビン酸という名前は、壊血病(スコルブート)に由来する。
- ビタミンCは、水溶性ビタミンである。
- ほとんどの哺乳類動物はビタミンCを体内で合成することができるが、ヒト、サル、モルモットは、ビタミンCを合成するための触媒となる酵素が遺伝的に欠如しているため体内の合成は不可能である。
- 人間にとって、ビタミンCは体外からの摂取が必須である。
- 強化食品やサプリメントからの補給がもっともポピュラーな栄養素といえる。
働き
- ビタミンCは、美肌づくりからがん予防まで、さまざまな作用を持つ栄養素である。
- しみやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑え、体内のたんぱく質の約30%を占めるコラーゲン合成に働く。
- コラーゲンは細胞と細胞をつなぎ、毛細血管、皮膚、粘膜、骨などの健康を維持する。
- コラーゲンが細胞を強化することで、風邪などのウィルスやがんを予防する。
- ビタミンCは免疫力を高め、発がん物質のニトロソアミンの生成を抑える。
- 抗がん剤として知られるインターフェロンは体内でも合成されるが、この産生を促進するのもビタミンCの役割である。
- ビタミンCは、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの生成にも関与する。
- 腸管において、鉄や銅の吸収を高め、ヘモグロビンの合成を促進する。
- 血中コレステロールを下げる働きもある。
- さまざまな疾病を予防する、ビタミンCの抗酸化作用にも注目が集まっている。
補給法
- ビタミンCは、熱に弱いので野菜などの食品からとる場合は、調理法に注意する。
- できるだけ損失が少なくなるよう、煮るよりも炒めることをおすすめする。
- 水溶性のビタミンCは2~3時間で体外に排泄されるので、サプリメントは、毎食ごとに補給したい。
- なお、まれに便がゆるくなることもあるが、その場合は、乳酸菌と一緒に摂取すると良い。
食事摂取基準(推奨量)
- 成人男女 100mg/日
不足すると・・
- ビタミンCの不足によりコラーゲンの形成が不十分になると、血管壁の細胞がゆるみ、出血しやすくなる。壊血病になると、歯茎から出血するのはこのためである。
- 骨も弱くなるため骨折しやすくなる。
- 筋肉の衰弱は、心臓の肥大につながる。
- 細菌に対する抵抗力が弱まり、ダメージを受けた組織が再生しにくくなる。
- 一般に寒いとビタミンCの消耗は激しく、補給しないと風邪や肺炎を起こしやすくなる。
- タバコを吸うとビタミンCの消耗が大きくなるため、喫煙者は欠乏症になりやすい。
- タバコを吸わなくても、他人が吸うたばこの副流煙により血中のビタミンCは失われる。
過剰摂取すると・・
- 水溶性のため基本的に過剰症はない。
- ただし、過剰摂取により、まれに一過性の下痢、嘔吐、頻尿、発疹などの症状が出ることもある。
ビタミンCを多く含む主な食品
イチゴ、アセロラ、グァバ、ミカン、ネーブル、柿、キーウィ、サツマイモ、菜の花、ホウレンソウ、赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、西洋カボチャなど
これらの栄養素だけとれば症状が良くなるという話ではありません。
栄養のバランスを考えるときに参考にしていただければ幸いです。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをとることが大切です!
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