トランス脂肪酸削減、欧州にも・・・

米国 加工食品のトランス脂肪酸禁止

「米国の食品医薬品局は、今後3年間をかけて加工食品のトランス脂肪酸(TFA)を禁止することを発表した。」と『米国「トランス脂肪酸の食品添加禁止」へ』でお伝えしました。

米国でトランス脂肪酸を排除する取り組みが始まったことに対し、ヨーロッパ循環器協会は7月7日に米国の施策を歓迎するコメントを発表しています。

欧州循環器学会、米国食品医薬品局(FDA)の食品業界のトランス脂肪酸禁止を歓迎

米国食品医薬品局(FDA)は、トランス脂肪酸(TFA)の摂取は安全でないとの判断から、加工食品でのトランス脂肪酸の使用を禁止し、食品業界が段階的に削減するための3年間の猶予期間を設けました。

この取り組みは、米国民の心血管疾患を減少させ、数千の心臓発作による死亡予防できることが期待されています。

欧州循環器学会は、アメリカ食品医薬品局の「食料から人工的なトランス脂肪酸を除去する」という決定を歓迎するとともに、欧州の政策立案者に対し、トランス脂肪酸という重要な健康問題に、欧州でのトランス脂肪酸削減の制度化に向け、早急な対応が必要であると呼び掛けました。

最も有害な脂肪酸

トランス脂肪酸は心血管疾患(CVD)を引き起こす最も有害な脂肪酸として広く認識されています。

部分的に水素化された油は、食品供給の人工的なトランス脂肪酸の主な供給源であり、トランス脂肪酸は、加工食品の脂肪として頻繁に使用されています。

トランス脂肪酸は血中LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の濃度を上昇させ、心疾患を発症する危険性を増大させることから、トランス脂肪酸が心臓の健全な機能に有害であり、心疾患の死亡率を高めることは明らかです。

欧州の死亡原因の主たるものは?

心血管疾患(CVD)は、欧州の死亡原因の主たるものです。

心血管疾患(CVD)によりヨーロッパ400万人以上の死亡と、EUでは190万人の死亡をもたらしています。

心血管疾患(CVD)は、ヨーロッパで全死亡の47%と、EUにおける死亡の40%を引き起こしています。

国によって死亡率は非常に大きな開きがありますが・・・。

東欧と南東欧における現在のトランス脂肪酸の摂取量は、欧州の心血管疾患(CVD)の負担が増加し、国内および国際的な不平等を広げています。

トランス脂肪酸の心血管の影響について、欧州全体のこれまでの蓄積された知見により、トランス脂肪酸を制限するためのさまざまな介入を実践してきました。

欧州循環器学会は、規制介入により、全EU市民が効果的にトランス脂肪酸の摂取を減らせるようにすべきと考えています。

日本では?

日本では取り組みが遅れているトランス脂肪酸対策ですが、トランス脂肪酸の削減(禁止)は、世界的な潮流になりつつあります。

日本でも今後は、トランス脂肪酸のもたらすリスクに関心を持つ人が、増えてくるかもしれません。

・・が、かなり立ち遅れている感があります。

日本の農水省の見解は、「トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、トランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象にしたもの」という見解ですが、日本人の多くは間違いなく、知らず知らずのうちに多くのトランス脂肪酸をとっています。

今、あなたが食べているジャンクフードにトランス脂肪酸が使われているかもしれません。

「とる量が多いとか、少ないとか」の問題ではなく、「食べて良いものか、いけないものか」の問題です。

トランス脂肪酸は、「自然界では存在しないもの」「プラスチック食品」と言われる危険なものです。 

日本の早急な取り組みが望まれます。




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